Column 院長コラム

鼻出血(はなぢ) – 鼻の病気

鼻中隔(両方の鼻腔の境目にある,しきりの壁)の前方部分は,粘膜の表面に血管が集まっており,刺激を受けやすいため,特別な原因がなくても簡単に出血することがあります。
ほとんどの鼻血はここから出ます。

片方の鼻からポタポタと出る程度なら心配はいりません。落ち着いて椅子などに座り、うつむき加減で、しばらく小鼻を押さえていれば止血します。
小指の先くらいの大きさに丸めた綿花やティッシュを詰めて圧迫しても良いのですがあまり奥へ詰め込まないようにね。
横になったり,頭を仰向けにすると、血液は咽に流れ込み、呑み込んだりむせたりするのでよくありません。
しばらくすると血が固まって止血します。鼻の中にトロンとしたゼリー状の血塊やカサブタが出来ることがありますが、これを無理に取るとまた出血するので、強く鼻をかんだり、擦ったり刺激をしないようにしましょう。
止血後も1~2週間は出血しやすいので激しいスポーツは避け、入浴はノボセすぎないようあっさりすませましょう。お酒もひかえた方がよいですよ。
鼻血がわき出すように流れ、反対の鼻孔からも溢れ出たり、咽へ流れてむせたりするような時は、鼻腔後方の動脈から出血している可能性があります。このような大出血は希ですが、高齢者で動脈硬化や高血圧のひとにおこることがあります。
前述したような処置で出血がおさまらないようならすぐに耳鼻咽喉科を受診しましょう。

このタイプの鼻血は耳鼻科の専門医でも止血に難儀することがあります。深夜などの場合は救急車を呼びましょう。
繰り返し鼻血が出る場合はもろくなった血管を薬品やレーザーで固めて出血を抑えることが出来ます。
脳梗塞や狭心症の治療薬には血液を固まりにくくする作用のあるものがあり、鼻血が出やすく止まりにくくなります。

その他、糖尿病や血液疾患、肝臓病では全身的に出血しやすくなり、アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎などの炎症や、鼻の腫瘍からの出血の場合もありますので、繰り返し鼻血の出るひとは耳鼻科の診察を受けておきましょう。

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